例題:19 力学的エネルギー保存則2
力学的エネルギー保存則の問題
教科書:数研出版総合物理 P110より
図のように水平でなめらかな床上でバネ定数25N/mのバネの一端を固定し、他端に質量1.0kgの物体を付けて置く。
物体に力を加えてバネが0.5m伸びた位置で静かに手を放す。
(1)バネが自然の長さに戻った時の物体の速さV1(㎡/s)を求めよ
(2)バネの縮みが0.3mになった時の物体の速さ Ⅴ2(m/s)を求めよ
この問題を解くには、
①弾性力
②運動エネルギー
③弾性力による位置エネルギー
④力学的エネルギー保存
についての知識と理解が必要です。
これらをやさしく説明し、最後に解法をやさしく解説していきます。
①弾性力
力が加わって変形した物体がもとの形状に戻ろうとする力を弾性力という。
バネの弾性力の大きさと、伸び縮みの長さは比例する。これをフックの法則と言い、次式で表される。
F= kⅹ
F(N):弾性力の大きさ、k(N/m):バネ定数、x(m):バネの伸び縮した長さ
②運動エネルギー:K(単位はジュール:j)
一般に、運動している物体は、仕事をすることができる。つまり、エネルギーを持っている。このエネルギーを運動エネルギーという。
③弾性力による位置エネルギー
位置エネルギー(いちエネルギー)とは、物体が「ある位置」にあることで物体に
たくわえられるエネルギーのことを言う。
位置エネルギー=U (単位はジュール: j)
位置エネルギーには、『重力による位置エネルギー』と『弾性力による位置エネルギー』
がある。
ここでは、後者についてのみ、説明する。
変形したばねに付けられた物体は、バネが自然の長さに戻る間に加速され、仕事をする
能力を得る。
このことは、物体がエネルギーを蓄えていたと考えることができる。。
④力学的エネルギー保存則
力学的エネルギーとは、物体がもつ位置エネルギーと運動エネルギーの合計のことです。
力学的エネルギー = 位置エネルギー + 運動エネルギー
位置エネルギーと運動エネルギーの合計(=力学的エネルギー)は常に一定です。
位置エネルギーが大きくなれば、運動エネルギーは小さくなります。
また、初めの力学的エネルギー と、その後の力学的エネルギー とは常に等しくなります。
わかりやすい、ウェブサイトの記事を参照
力学的エネルギー保存則を用いた応用例をみていきましょう。
よく入試などで出題されるのが、単振り子です。
単振り子でも、力学的エネルギー保存則は成り立ちます。図で確認していきましょう。
物体の質量をm[kg]とする。
図のように、(A)から静かに物体を離す。
重力による位置エネルギーは U=mgh です。m=質量、g=重力加速度、h=基準水平面からの高さ
(A)における位置エネルギーはmgh、運動エネルギーは0なので、力学的エネルギーはmgh である。
よって、力学的エネルギー=位置エネルギー+運動エネルギー となります。
また、物体の高さがh´[m]になったときの速さをv[m/s]とする。[(B)地点]
このときの位置エネルギーはmgh´、運動エネルギーはmv2であるから、
力学的エネルギーはmgh´+ mv2 となる。
力学的エネルギー保存則より、
解法
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