第2章 運動の法則 


力とそのはたらき


物理では、物体を変形させたり、物体の運動の状態を変えたりする原因となるものを(① 力)と呼ぶ。

物体に対して(①力)を及ぼす点を、(②作用点)といい、(②)を通り力の向きに引いた直線を(③作用線)という。

速度や加速度と同様に、(①力)は大きさと向きを持つベクトルである。

力の効果を決める3要素は(④力の大きさ)、(⑤力の向き)(②)で、その大きさを表す単位には(⑥ニュートン)を用いる。

地球は、地球上の物体に対して引く力を及ぼす。この力を(⑦重力)といい、その大きさを物体の(⑧重さ)という。

質量が m〔kg〕の「物体に働く重力の大きさ=W」を 「重さ」といい、mg〔N〕と表す。

 

     W=mg   重力の大きさw(=重さ)は質量mx重力加速度gである

 

補足説明 校物理の部屋」より

力の単位

 

 

力の単位には [N] ニュートン が用いられます。あの有名なニュートンからきています。

 

1.0N は質量 1.0kg の物体に 1.0m/s2 の加速度を生じさせるような力と定義されています。

 

何のことかわからないと思いますが、後で習う運動方程式というものから導き出されるもの

 

で、物体に力を加えると速度が増すという ma = F という式において

 

質量 m = 1.0 [kg]、加速度 a = 1.0 [m/s2] のときの力が F = 1.0 [N] と定められています。

 

 

ここで、「 1.0kg の物体に → 1.0m/s2 の加速度を生じさせるような力が → 1.0N である 」

 

ということを頭において、次の説明を読んでください。

 

 

地球は重力という力によって地球上のあらゆる物体を引っ張っています。

 

そしてそのときの加速度は 9.8m/s2 です。

 

 

ということは、1.0kg の物体にかかる重力という力の大きさは 9.8N ということになります。

 

( 2.0kg の物体にかかる重力でしたら 2×9.8 [N] です。2.0kg の物体に 9.8m/s2 の加速度を生じさせる

 

 のですから。)

 

 

 

では、1.0N という力の大きさは重力でいうとどのくらいでしょう。

 

 

1.0kg の物体に → 9.8m/s2 の加速度を生じさせるのが → 9.8N

 

 ●kg の物体に → 9.8m/s2 の加速度を生じさせるのが → 1.0N

 

 

    ●は 1.09.8 kg です。

 

計算すると 約0.102kg です。

 

約0.102 kg ほどの物体を重力が引っ張るときの力が 1.0N ということです。

 

感覚的にいうと、1.0N という力の大きさは、手のひらにみかんを置いたときに感じるくら

 

いの力、ということです。   Nkg x 9.8m/s2

 

質問:質量10kgの物体に働く重力の大きさは何Nか?重力加速度の大きさを9.8m/ssとする。

 

(答)  重力の大きさ(=重さ)は質量x重力加速度であるから、10kg x 9.8m/s2 98(N)

 

 

面から受ける力:

接触している物体の面が他の物体に対して面と垂直の方向に及ぼす力を(①垂直抗力)という。

ほかに、静止摩擦力、動摩擦力がある(詳細は後述)。これらを抗力(接触している他の物体の面から受ける力のこと)の成分(分力)という。

 

力が加わって変形した物体が、もとの形状にもどろうとする力を(②弾性力)という。

(②弾性力)の大きさと、伸び・縮みの長さは比例する。これを(③フックの法則)といい、

 

  F=kx  

 

で表される。 F(N):弾性力の大きさ、k(N/m)バネ定数、x(m):バネの伸び縮み

 

 

質問:つる巻バネを手で引っ張って、0.2m伸ばしたところ、手はばねから4.0Nの大きさの

力を受けた。バネ定数は何N/m か?

 

   フックの法則 F=KX より、4.0=kx0.20  k=20(N/m)

 


力のつり合い


力の合成・分解・成分

1.力の合成:

一つの物体に複数の力が同時にはたらくとき、これらの力の組と同じ働きをする1つの力を求めることができる。これを力の合成と言い、合成された力を合力という。

 

2.力の分解:

合成とは逆に、1つの力を、それと同じ働きをするいくつかの力の組に分けることができる。これを力の分解といい、分けられた力を分力という。

 

3.力の成分:

2.の力の分解は、垂直な2方向に分解すると便利なことが多い。力Fを互いに垂直な座標軸ⅹ軸、Y軸と平行な方向に分解し、分力をそれぞれFx,Fyとする。これらをX成分、Y成分という。Fx=Fcosθ、Fy=Fsinθ


力のつり合い


1.1つの物体にいくつかの力が同時に働いても、それらの合力が0ゼロベクトルである時には、これらの力はつりあっているという。

 

2.力がつりあう条件 〔 力のX成分の総和が0、力のY成分の総和が0 〕

 

 

 

例題 力のつり合

軽い糸に重さ(重力の大きさ)10Nの小球をつけ、天井からつるす。小球を水平方向に力F(ベクトル)で引き、糸が天井と30°の角をなす状態で静止させた。

(1)糸が小球を引く力の大きさT(N)を求めよ。

(2)力F(ベクトル)の大きさF(N)をもとめよ。