運動の表し方:3.落体の運動
内容
A.自由落下
B.鉛直投射
C.水平投射
D.斜方投射
A.自由落下
A.自由落下 穴埋め問題で理解する
物体が(1.)だけを受け、初速度0で鉛直に落下する運動を自由落下と言う。
ストロボ写真から自由落下の加速度を求めると、鉛直下向きで一定の大きさ=(2.)になる。
質量を変えて実験しても加速度は同じ値になる。この値を(3.)と言い、その大きさを(4.)で表す。
要約すると、
自由落下は、『初速度の大きさがゼロ、加速度が鉛直下向きで大きさが一定(重力加速度)』の等加速度直線運動である。
解答
1.重力 2.9.8m/ss (sの2乗)3.重力加速度 4.g
自由落下の
速度、距離を求める式
自由落下:問17 教科書P31&演習問題5 教科書P43
2階の窓から小球を静かに離すと、1.0秒後に地面に達した。小球を放した点の高さと、地面に達する直前の小球の速さを求めよ。
考え方:
小球を放した点の高さとは? ⇨ 小球を放してから地面に達した時までに落下した距離
と考えれば、使う公式は、y(m)=・・・・です。
B.鉛直投射
物体を鉛直方向に投げ下ろしたり、投げ上げたりすることで、二種類ある。
1.鉛直投げ下ろし
2.鉛直投げ上げ
1.鉛直投げ下ろし
自由落下の場合とは違い、初速度はゼロではない。
また、自由落下と同様、加速度は鉛直下向きで一定、大きさはg(重力加速度)である。
公式:上のA.自由落下の公式に、初速度の要素を加えたものになる。
加速度はa=g(プラス)
2.鉛直投げ上げ
物体を真上に投げ上げたときの物体の運動の仕方(つまり、速度とか動いた距離とか時間を考える)
小球を鉛直上方に投げ上げたときには、小球は次第に遅くなり、ある高さで速度がゼロとなる。
その高さから下向きの運動へと変わる。
自由落下や鉛直投げ下ろしと同様、加速度は鉛直下向きで一定でその大きさは重力加速度の大きさgに等しい。
このことは小球の質量や初速度の大きさと無関係である。
投げ上げた後、上昇中も下降中も加速度はーgである。すなわち、a=-gである。
このため、下記のように、各式の g を含む部分が -g符号となる。
鉛直投げ上げの速度、距離などの式と、v-tグラフ、y-tグラフは下記のようになる。
C.水平投射
物体をある高さから水平方向に初速を与えてあとは重力の力に任せて落下させる運動を『水平投射』という。
この場合、物体は徐々に下に落ちていく放物線を描いて飛んでいき、やがて地面に達する。
水平投射は2次元の運動であり、一見複雑に見えるが、重力というものは方向が常に鉛直下向きであり、運動を水平方向と鉛直方向に分解すれば、重力加速度を考えるのは鉛直方向だけでよく、かなり単純化される。
この時の物体の軌道:
自由落下の時と比較してわかることは、
①鉛直方向には、自由落下と同様の運動をしている。
②水平方向には、等速直線運動と同様の運動をしており、その速さは初速度のまま変わらない。
水平投射の式:
斜方投射の運動
①斜め方向に初速を与えて、
②あとは重力の力にまかせて落下させるような運動
を斜方投射(しゃほうとうしゃ)という。
これも水平投射と同様に、2次元の運動であり、運動を水平方向と鉛直方向に分解して考える。
斜方投射された物体の運動は
①鉛直方向には鉛直投げ上げと同様に、初速度のほかに下向きの(マイナスの)重力加速度gが働
く等加速度運動である。
②水平方向には投下速度運動と同様の運動をしている。
③物体の運動の軌跡は、最高点を頂点とし(この時物体は停止する)、鉛直線を軸とする放物線で
上に凸の放物線を描く。
斜方投射の運動を表す式
斜方に投げ出すのであるから、水平とか鉛直の投げ出し運動とは違って、sinθやcosθが式に含まれ
る。つまり、物体を水平方向とある角度θをなす向きに投げ出すとき、その初速度を、水平方向と鉛
直方向に分解して、つまり、x成分とy成分に分解して考える。
「KIT物理ナビゲーション」
から、左の関連グラフをお借りしました。
例題6:斜方投射 教科書P40
斜方投射:類題 教科書P40
+運動の分解:詳しい説明
第一章 演習問題ー7 斜方投射
第1章 力と運動:演習問題ー8
図のように、水平方向右向きにⅹ軸、鉛直方向に上向きにy軸をとる。
原点にある小球1を、初速度の大きさV0〔m/s]、ⅹ軸の正の向きとなす角θで投げ出すと同時に、
点P (x0〔m〕、Y0〔m〕)にある小球2を静かに落下させた(ただし、x0>0、Y0>0)。
重力加速度の大きさをgとする。
(1)小球1が点Pの真下の点を通過するまでの時間t〔s〕を求めよ。
(2)(1)の時の、小球1のy座標Y1〔m〕と小球2の y座標 Y2〔m〕をそれぞれ求めよ。
(3)角θがある値θ 0のとき、小球1と小球2が衝突したとする。この時、tanθ 0を求めよ。
A.等速直線運動
物体が1直線上を一定の速さで進む運動を(1. )という。(1. )をする物体の進む向きにX軸をとる。物体が原点を通るときの時刻を0とすると、時刻tでの物体の位置xはこの間の(2. )に等しい。物体の速さvは(3. )あたりの(2.)で表せる。すなわち、
v=(4. )である。
速さの単位には(5. )や(6. )がある。
解答
1.等速直線運動 2.移動距離 3.単位時間 4.x/t 5. 6. 7
単位の換算:基本問題-2
物理においては、単位を揃えておくことが大事。例えば、
ピッチャーが速さ160km/時の速球を水平に投げた。
18.4m先にあるホームベースに到達するまでにかかる時間はいくらか?
距離と速さがわかっていて、時間を求める問題。
速さ=距離/時間を使えば求められる。⇨時間=距離/速さ(2行目)
その前に、時速kmから秒速mへと単位を揃えるための調整しよう。
時速160kmを秒速mに変換するには、1kmは1000m、1時間:hは3,600秒:s、だから上記のように計算する。答えは0.414秒
物理計算においては単位を揃える(換算する)ことが大切だ。
等加速度直線運動の三公式について:説明
三公式に関連する基本問題-3
加速度がマイナスの等加速度直線運動
さらに詳しく
斜面を転がる小球の運動【数研物理314】
例題2.直線運動・加速度
パトカーが近づいて来たので、ポルシェは88m走る間に時速100kmから時速80kmまで一定の加速度でスピードを落とし直線運動をした。
問1:加速度はいくらか?
例題2-問1解説
(1)秒あたり初速
(2)変位
(3)秒あたり速度
(4)等加速度運動の速度の公式
(5)(4)を変形してtを求めます
(6)等加速度運動の変位の公式
(7)tを(6)に代入
ここで、初速27.78、終速22.22、xは88を代入してaを求める。
a=-1.58m/s・s (答)
単純化のために、単位は途中は省略。加速度の単位は、『m・毎秒・毎秒』。
例題2-問2:減速にかかった時間はどれくらいか?
(5)の式にaの値を代入すれば、
t=(22.22-27.28)÷(-)1.58=3.52秒
例題3:
一定の加速度で走行中の車が、60.0m離れた2点間を6.0秒で通過した。
第2地点を通過した時の速さは15.0m/sであった。
(a)第1地点を通過したときの速さはいくらか?
(b)加速度はいくらか?
(c)車が静止していたのは第1地点からどれだけ離れたところか?
等加速度直線運動の公式
(1)は速度を求める
速度は初速+加速度✖時間
(2)は変位
(初速+終速)x 時間ⅹ1/2
(3)はtを含まない式
例題3をこれらの公式を使って解く
上の(2)は、X=Vo・t+1/2a(t・t)が一般的。
上の公式を文字で書きなおしてみると覚えやすい。
(1)終速度=初速度+加速度x時間
(2)変位=1/2(初速度+終速度)時間または変位=(初速x時間)+1/2(加速度)x毎秒・毎秒
(3)終速度・2乗ー初速度・2乗=2x加速度x変位
質問(a)は初速度を求める問題であり、与えられている条件から公式(2)を使う。(2)に与えられた数値を代入すると、
60m=1/2(初速度+15m/s)x6s となる。
これを解いて
60m=3s・初速度+45m
初速度=15m/3s
=5m/s 秒速5m <答>
質問(b)は加速度を求めているから、(1)を使ってみる。
15m/s=5m/s+加速度x6s
(10m/s)÷6s=加速度
10/6(m/s2乗)=1.666=1.7m/s2乗) <答>
質問(c)の内容から、公式(3)に数値を代入すると
静止地点から第一地点までの変位を求める問題である。公式(3)に終速度=0、初速度=5mを代入して、
5mの2乗ー0の2乗=2x1.666x変位m
25m÷(2x1.666)=7.5m <答>
平均速度と瞬間速度
瞬間速度は、平均速度の時間間隔⊿tを限りなくゼロに近づけることにより求めることができる。
⊿tが小さくなるにつれて平均速度はある極限値に近づく。
速度は変位(位置x)を時間で微分して求めることができる。
例題3
【問題】✖軸上を移動する粒子の位置が(1)の式で与えられている。t=3.5sの時の速度を求めよ。
速度は位置の式(1)を微分して(2)。
t=3.5sを代入すると(3)となる。速度はー68m/秒 <答>
この速度は、tとともに変化し続ける。
上の計算では、公式(2) と(3)の
変位=初速X時間+(1/2)X(加速度)X時間t2乗
終速度2乗=初速度2乗+2X加速度X変位
を使った。加速度は、-ℊ(=-9.8)である。
鉛直投げ上げ運動
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